待体験をしているK君のトピは300以上のアクセスがありました。
【虐待から生れたのは…】
http://kokoronoartwork.blogspot.jp/2015/11/111815.html
今日はその後のK君とのセッションのもようを綴ってみます。
心を紐解くアート作り:プロセスを大切にする
『心のアート・ワーク』の
カナダBC州公認アート・セラピスト&同州公認心理カウンセラー
上原英子です。
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私が一対一でアート・セラピーをしている生徒たちは代替教育プログラムと
呼ばれるクラスにに入っています。
一般クラスには適さない問題行動があり、学習障害、ASD:自閉症スぺクトラム障害、ADHD:注意欠陥多動障害などの発達障害を持っていることが多い。
不安が強く、一般クラスでは難しいとこのプログラムに入ってきたK君。
私は彼は本当は怒っているのだけれど、子どもという弱い立場にいるためにそれが表現できず不安という形になっていると感じました。
私とのセッションでは、彼が親から虐待とネグレクトを受けていると考えられる点がいくつもあります。
K君はアート・セラピーの番が回ってくると小走りして私の元にやってきます。
K君「今日はボクの番かもしれないかと思って、
これ持ってきたんだ」
私「これ、なあに?」
K君「なんだと思う?」
私「…?」
K君「じゃあ、教えてあげる。これはうちの犬が噛んでいる骨なんだ。」
K君にとって大切なものを私に見せようと持ってきてくれた。
彼が大人との親密な関わりを求めているって感じられる行為。
K君「まだあるんだよ。
ボクが持って来たものを当ててみて!」
何回か推測してみたけど、当てられなかった私。
K君が日本の飴をもらった!と見せてくれたのは、韓国製のお菓子。
彼は二個もらって一個食べたらおいしかったから、
当たったら私にあげようと思っていたと言う。
でも、私は答えをはずしたから、もらえないと思っていた。
K君「これ、おいしいんだ。
ボクが二つに割ったから、一つ食べていいよ。
ボクはもう一つ食べているから、大きい方を取っていいよ」
私「そんなに大切なお菓子を私に分けてくれるんだ。
嬉しいな」
K君「分け合って食べたらおいしいから」
親から虐待を受けて、哀しみや悔しさを日々味わっているK君。
それでも、人と関わりたい、分かち合いたい気持ちが失われていない。
私はそのことが奇跡に感じられ、また、彼の心の
レジリエンス:困難を跳ね返す強さと柔軟性の素晴らしさを実感した。
K君は字が上手く書けないし、手先は不器用な方。
それでもセッションにくると積極的にアート作りをする。
折り紙で飛行機を折るのは一苦労。
なるべく彼ができるところは彼が折るようにして、
難しい部分を私がサポート。
やっと作品を仕上げて、シールを貼った。
K君「今回は、SUPER:スゴイ、のシールを貼って、
特別な飛行機にしたよ。
上にはKeep it up:がんばる、にしたんだ」
私「本当だ~、このK君が作った飛行機は特別だね」
K君「飛ばしてみるね」
K君が飛ばした飛行機は弧を描いて彼の元に戻ってきた。
K君「まるでお父さんと一緒にいる時のボクみたいだ。
お父さん、待って!ボクもう頑張れないよ!」
これは私にはK君の心の叫びに聞こえた。
K君に男らしさを強要して武道を習わせ、キツク当たる父親。
乱暴に掴んだり、早くしろと罵声を上げていると聞いた。
他にも3機の飛行機を作って、大切そうに持ち帰ったK君。
セッションの作品で家で遊ぶことを楽しみにしているという。
私と担任の先生は連携をとり、親御さんとのミーティングや
ソーシャルワーカーとの話も聞かせてもらうようにしている。
K君が心を開いて楽しめる場の提供。
そして、承認・理解・共感を体験できる関係性作りを
これからも続けていこう。
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