2013年11月28日木曜日

11/27/13 【フェルト作りの研修会へ】

北米では、未就学児(場所によっては就学後も可)のお子さんを預かる機関は、デイ・ケアと呼ばれています。

デイ・ケアを運営、また、そこに就労するこの地域の人は、Shuswap Children’s Assoc.Child Care Resource & Referralという協会で、定期的に研修を受け専門知識・技術の向上を計っています。
私はこの協会に所属していませんが、ここの研修内容にいつも興味津々。今回は余席ありとのことで、11月26日の研修会に参加してきました。
フェルト研修会のイントラの作品。ロゴマークといい、色使い、ウールの風合いといい、お子さんの協会にぴったり!

今回はこの研修会では、3つのステーションが設営されていて、
3通りのフェルト作りを体験しました。
 第1のステーションはニードル・ワーク

今日はリンゴを作ってみましょう~
ウールのバッティング:battingという状態のものを丸め、専用鍼でスポンジにブスブス刺して固めていきます。

イントラ「この鍼は先が鋭く、羊毛が引っかかるしくみになっているので、誤って指を刺してしまうととっても痛いです。血が出ますよ」

参加者「は~い」

気を付けて鍼を使っていたにも関わらず、怪我人の第一号は私でした
バンドエイドを貼って作業を続行。ブスブスと鍼を刺して形を作っていく行程は単純作業なのですが、感触にハマります。
私のリンゴは♡の形に葉っぱを付けてみました~
第2のステーションは何とトイレ!
ここでウェット・フェルテッド・ソープの作成をします。
各自に面取りをした石鹸1/2個とウールのパックが渡されました。
ウールで石鹸をキツく巻いていきます。これが難しい。
 上記ができたら熱いお湯を掛け、袋に入れてよくモミモミする。
 
 この熱湯→モミモミでフェルトを縮ませ石鹸にフィットさせる工程
 更にお湯を掛け、ざるに入れたプチプチシートの上でゴシゴシ
最後に冷水の入ったボールに石鹸を浸し、取りだしたら出来上がり!
私のはこんな感じになりました~
  第3のステーションはウェット・フェルテッド・ストーン作り
中に入れる石の大きさより長めにまずは縦糸を置きます。

そして、横糸をクロスして置き、端から石をキツく包んでいきます

 包んだ最後のあたりを解けないように専用鍼で刺して留めます
 こんな感じになりました。
一度熱湯にくぐらせ掌を行ったり来たりさせます。熱いジャガイモを持たないように運んでいるかのようなので、ホット・ポテト・テクニックと呼んでいました。
仕上げにレジ袋に入れてよくモミモミします

 できあがったら一晩乾かします。私のは下段右から三番目です。

この後、シルクシフォンのスカーフにフェルトをあしらうNuno Felt Technique:羊毛を布状に作成する日本生まれの技術のデモ


そして、気泡のある野菜用ジプロック・バッグ使用の簡単フェルト作りのデモがありました。

昨年、アート・セラピーのワークショップ参加時にフェルト作りも効果があると分かり、初心者キットを購入しました。
これを機会にフェルト作りもしたくなりました。

2013年11月16日土曜日

11/15/13【Art Explosion:芸術は爆発!】8-12歳の女子のアート・セラピーのグループ

The Mandella Projectは、私の住んでいる町のユース:8-12歳&13-17歳のための放課後のアクティビティーのプログラムなどを運営しています。

The Mandella Project:www.youthpartners.ca

私の担当は毎週木曜のArt Explosion:芸術は爆発!:8-12歳の女子のアート・セラピーのグループ。
 
私はこのマンデラ・プルジェクトで夏のアート・キャンプを含めて4年余ほど講師を担当しています。


パンフレットにあるこのArt Explosionの説明は以下の通りです。

A few of the reasons ART has value for you/your child
アートがあなたとあなたの子どもにとって価値がある理由は


►learning to think creatively, with an open mind
オープン・マインドで創造的に考えることを学べる。

►practicing problem-solving skills, critical-thinking skills, and art-making skills
問題解決法や批評的な考え方、アート制作の技術が学べる。

►discovering that there is more than one right answer, multiple points of view
一つ以上の正しい答え、幾つもの見方があることを発見できる。

►learning to collaborate with others
他者との共同作業の仕方を学べる。

►introducing to cultures from around the world
世界中からの文化を紹介してもらえる。

►Even with physical, emotional or learning challenges, can experience success in the arts
身体的、感情的、また、挑戦することを学ぶことでアート制作の成功体験ができる。

►Arts build confidence - there is not just one right way to make art, therefore everyone can feel pride in his or her original artistic creations
アート制作によって自信が持てるようになる。
アート制作はたった一つの正しいやり方があるわけではないので、自分なりのアート作品を誇りに感じられる。

私のクラスでは上記の方針が満たされるようなクラスを目指しています。

 このドアが異次元への入り口!
 中に入ってみると
 廊下には子供たちが描いた宇宙空間の壁画が
流行のブランド:DCのシャツにパンツをずり下げた着方のイラスト
 奥にはゲーム・コーナー
  部屋に入るとキッチンと、ペイントしたカウンターが
カウチは子どもたちのお気に入りの場所。コーヒー・テーブルに見えるのは衣裳箱で、仮装の服や靴などが入っています
子どもたちが作成した絵が掛かっています~

この部屋で子どもたちのいろいろな気持ちがアートやドラマ、詩、音楽やダンスなどを通して表現され、成長していきます。

たくさんの子どもたちが大きくなっていくのを見守ってきたこの部屋。私にとっては、とても愛おしい空間です。




2013年11月6日水曜日

11/5/13【警察犬の来校】

私がアート・セラピーの仕事をしている文部省管轄下の代替教育プログラム。

 生徒の顕著な(行動面の)問題や障害により、学校システム内で一般校よりも教師の時間と関心を引くことが必要であると見做された生徒たちのためのプログラムで、6~11歳がジュニア、12~16歳がシニアクラスで各クラス8名が定員。

生徒の入学申請基準:

  1.  学校組織外の機関やサービスの推薦、または学校組織による問題行動カテゴリーに関連している行動があること。
  2. 内的な行動障害の可能性で障害があること。
  3. 一般的な学習環境に留まる権利を剥奪されたこと。
  4. 新しいスタートを切ることによって生徒にとって利益がある場合。
  5. 生徒は学校、コミュニティー、家庭で問題行動を呈している場合。
  6. 学校の内外の問題解決能力が最大限に発揮されること。

簡単にご説明すると、クラスや周囲に迷惑や危害が及ぶ、もしくは摂食障害などを含む自傷などの問題行動のある生徒たち。
多くはADHDなど発達障がいを併せ持った学習障害があり、若年の生徒の90%、10代になると70%が男児。

理由を訊いたところ、男児の方が行動化する問題を持っていることが多く、女児は不安症、うつ、摂食障害などがあっても内在する問題で他者が発覚しにくい。
 
また、問題行動のある女子は10代に入ると年上の男性と異性交際が始まり、家出して学校を辞めるケースもあるからだそう。
 
今日はこのプログラムにRCMP:ロイヤル・カナダ・マウンテッド・ポリス、カナダ警察から警察犬を連れて警官らが来校しました。 
婦警を含む5名の警官が来校。カナダの警察官は男女同じ制服制帽を着用。 
警察犬はどんな仕事をするのか、などの説明の後に教室にやってきたのがジャーマン・シェパードの警察犬ケイン。 
ケインは麻薬犬ではなく、犯罪者を追いかける任務をこなしている3歳の雄犬。生後12か月から訓練を開始し、今年から本職に就いたそう。
7歳までの4年間を仕事に捧げる予定。  
最初、机の上に座るも緊張して落ち着かないケイン。大きな図体ながらヒーヒー鳴いていました。
ケインはみんなの注目に照れていたのかも… 
ソファーには先生や生徒が座り、さまざまな質問を投げかけていました。
カナダの警察犬には性別関係なくジャーマン・シェパードが登用されることが多く、雄雌共に去勢・避妊はなるべくしないとのこと。 
トレーニング開始後様子を見て警察犬として大成しそうな犬を選ぶ。 
大体7歳になると足腰、そして歯に故障が出て来て警察犬として引退することになるそう。

ケインはやっと教室の雰囲気に慣れてきて、私とじっと見つめあうくらいの余裕が出てきました。  
20分間の警察犬来校に生徒たちは大喜び!水を打ったように静かに話を聴き、最後に警察犬ケインに大喝采を送っていました。 
このプログラムの生徒たちに、このような生きた学習の機会がもっともっと与えられますように。