2015年12月24日木曜日

12/24/15 【自閉症児B君1:言葉がなくても・・・】 

明日はクリスマス!
このまま雪が降り続けたらホワイト・クリスマスになりそう。

 
引っ張りあったらどちらが勝つかな?
 
心を紐解くアート作り:プロセスを大切にする  『心のアート・ワーク』の
カナダBC州公認アート・セラピスト&同州公認心理カウンセラー 
上原英子です。 


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B君は現在ホーム・ケアと呼ばれる養育者宅で暮らしている。

13歳のB君はASD:自閉症スペクトラム障害を持っていて、言葉が話せない。

声は出せるので、感情が激すると甲高い奇声を上げる。

B君は自分からは話せなくても、人が自分に話しかける言葉を聞き取り理解することができる。

アート・セラピーは言葉を超えたコミュニケーションが
できる。

それでも、今まで話せないクライアントはいなかったので、
どんなふうに彼とセッションしたらいいのか悩んだ。


B君はお絵かきよりも字や数字を書くことが好きと聞いていた。
でも、書いている単語や数の概念はないとも。

養育者は彼が書いている言葉と、その”もの”を関連させて理解できるように
なるよう教育しているが、なかなか難しいとのこと。

私は彼を教育していく立場ではないが、彼という人間に対する理解を深めるためにアートやクラフト用具を用いて関わろうとB君とセッションするようになった。 

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B君との最初のセッション。

テーブルに大きな紙を敷いて、B君に


私「さあ、どうぞ!」

と手で紙を指し示した時、意外なことが起った。

























































B君が私の手に触った!

私がB君に握手を求めたのだと勘違いしたのかな?
敢えて画面を暗くしてアップした彼が最初に描いた作品

自閉症を持つ人のお絵かきに特徴的な重ね描きが見られる。既に書いてある部分に何重にも重ねて描き続ける。

紙に余白がなくなったので、別の紙を渡そうとしても描き続ける。
裏写りするので、新しい紙を渡そうとしても裏にして描き続ける。

B君は集中力抜群!

一度描き始めたら、途中で別のことをする指示をしても、ちょっとだけ

手を出してまた前の作業に戻る。

 
彼は手の感触が敏感だと聞いていたので、プラスタシーン(ベタつかない粘土)とクッキーの型抜きを持っていった。

型抜きは気に入ったようで、上手にいろいろな形を抜いていく。
 
紙についた粘土に楊枝で何か描きだした。

B君は細かい作業に没頭する。


何度も何度も飽きずに描いている




 
私は茶色い粘土でクッキーの形を作って、COOKIEと刻んだ。

私「この文字を粘土の上に書いてみて」

私の期待に反してB君は〇の中に目・鼻・口を描き入れた。

彼にとって〇は顔の輪郭なので、COOKIEという文字をが目に入っても
真似をしないのだろう。

彼にとって、〇はクッキーではなく顔の輪郭だから。
 
パイプクリーナーと呼ばれるクラフト用針金をクリスマスの杖のように縒って、引っ張り合いをした。

B君が笑い出した!
 
どちらが負けても、勝っても、どちらもおかしいらしい。
私には彼の笑いのツボは分からないけれど、
B君はこの遊びに刺激されて笑っている。


B君は私と関わることで、何らかの影響を受けることがあるのではないか?


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どうなることかと案じていたB君とのセッション。

養育者はセッションのあと、彼がとても楽しそうな顔をしていると教えてくれた。

最初のセッションで言葉がなくても分かり合える部分も
あると感じた私。

希望を胸にB君とのセッションを続けていこう。
 

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