2016年11月27日日曜日

11/25/16 【ピア・サポート・トレーニング修了!】

日本は11月に大寒波に襲われたのに、今年のBC州は暖かい。
寒がりな私としては、このまま暖冬になって欲しいです!
 
二人のファシリテーターから頂いたコース修了証

心を紐解くアート作り:プロセスを大切にする 『心のアート・ワーク』の
カナダBC州公認アート・セラピスト&同州公認心理カウンセラー
上原英子です。




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10月末から受講していた6週間に渡った
ピア・サポート・トレーニング・コース

精神疾患を持つ人同士がサポートしあえるように
コミュニケーションとは何かを徹底的に学び、

実践的に練習するトレーニング。 

カナダ精神衛生協会で長年アートのボランティアをしている 
私もこのコースを受講することができました。

以前にもこのコースの記事をブログに綴っています。

http://kokoronoartwork.blogspot.ca/2016/10/102816.html

最終日は、このコースを終えてピア・サポート・ワーカーになりたい場合の
説明が行われ、さまざまな質問が出ました。

そして、グループでスクリブルと呼ばれるアート・セラピーでも
用いるアート・エクササイズが私がするのと違う方法で用いられました。



最初に1人がボードにぐちゃぐちゃな線を描きます。


 
その線を別の人が何人か出てきて、
何かに見立てて線を足していくルールでした。

日本でこのようなゲームをすると、どんな意図で描かれる絵なのか
先に想像して、それに沿った加筆をしていくことが多い。

でも、ここ北米では、自分が何を見つけたかを描くことに終始して、
他者とイメージを共有して一つの作品にならないことも。

ゲームなのでどのように遊んでもOK!

遊び方に参加者の行動傾向が現れるのが興味深いのです。

 
私が描いた線はいろいろな人の加筆を経て、こんな感じに~

一つのものごとに対して、それぞれの人が違った見方をする。
このことに気づくのが、このゲームの狙いなのです。

 
 
私は二人のファシリテーターに渡すカードを用意していきました。

手書きで感謝のメッセージを書き、コース受講のみんなに回して

サインを集めました。

北米人にとって漢字は珍しいので、
「感謝」Gratitudeと綴りました。

カナダでは携帯電話にカメラ機能があっても、
滅多に写真を撮らない人ばかり。


私はいつも写真を撮って(日本人ね~と言われる)、
写っている人にメールで送るので、重宝がられています。
集合写真を撮る時も写真に写るかどうかは個人の選択なので、 
希望者だけ参加したグループ写真。

この感覚にも個人主義が発達している北米らしさを感じます。

みんなとペアやグループで練習した対人関係スキルを
実生活で、そして、心理療法の仕事で活かしていきたいです。

 

2016年11月23日水曜日

11/20/16 【子どものメンタル問題1位は?】

秋から春まで半年間はいつ雪が降っても不思議はないこの地域。
それなのに、今年は雨ばかり降っています。


BC州サーモンアーム市の高校で講演したDr. Vanessa LaPointeと共に。

心を紐解くアート作り:プロセスを大切にする 『心のアート・ワーク』の
カナダBC州公認アート・セラピスト&同州公認心理カウンセラー
上原英子です。


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ここ数年の北米の心理療法のブームは、

1.マインドフルネス

禅の心境を元にして北米で発案されたもの。
自分の心を平安に保つための実践的方法を学びます。

2.人間関係内のアタッチメント 

発達心理学の学問領域における専門用語で、
イギリスの児童精神医学者ジョン・ボウルビー(John Bowlby)が、
1960年代に「アタッチメント理論(愛着理論)」として提唱したもの。


子どもは乳幼児期に療育者から無条件に受け入れられ、
愛される経験を通して主たる養育者との
アタッチメントを形成していきます。

このアタッチメントが子どもの人格形成の基盤となります。

子どもが心身ともに健やかに成長するための
基盤となるのは、養育者との安定したアタッチメントです。

アタッチメントは不安を抑制し探索行動を活性化し、
子どもに安心感を与え、自己や他者への信頼感をもたらします。

そして、ここで育まれた人格の基盤が、
様々な能力や資質を育みます。

https://www.naik.jp/feature/attachment.htmlより引用)


養育者との間で育まれたアタッチメントのスタイルによって、
その後の子どもの人間関係の持ち方に影響が起こります。

現在は4つタイプに分類され、タイプ毎に傾向と対策のような
ものが説かれるようになりました。


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今回、参加した講演会でもこの説について触れていました。

11月19日にBC州サーモンアーム市の高校で開催されたDr. Vanessa LaPointeの『子ども時代のメンタルヘルスABC』

北米は10年ほど前から発達障害や子どものメンタルヘルスを
教職員や私たち心理専門職、そして、養育者対象に多くの研修会や
ワークショップが催されています。
大人のための講演会でもテーブルにはキス・チョコと
手慰みできるようにパイプクリーナー(日本後だとモール?)が
用意されていました。

情報テーブルには公私のエージェンシーや組織の
パンフ類が置かれていました。
元フィギュアスケート選手の講演者は抜群のスタイル!

今回のテーマである子ども時代のメンタルヘルスは、

以下の順に紹介されました。

1.注意力制御不能としてのAD(H)D

日本語では、注意欠陥(多動)性障害でお馴染みですよね。
 「多動」「衝動」「不注意」の3つの特徴がみられる障害です。

先天的な脳の発達障害のAD(H)Dを持っていると、
落ち着きを示す部分の脳の部分に反応低下が見られます。


大人から「落ち着きなさい!」と言われても、
脳内での制御が不能なために注意欠陥・衝動的、多動の
行動が起こるのです。

本人の性格的な偏りや、努力・忍耐不足ではないのです。

そのことをよく理解しないで子どもを叱ったり批判していると、
二次障害として自己評価が低くなったり、反抗的な行動が
表われることも。


2.不安症

現代の北米で発症率が上がって問題になってきているのが
子どもの不安症。

子どものメンタルヘルスの問題第1位!

カナダの統計ではBC州で42,000人、カナダ全土で338,000人
子どもが何らかの不安症を持っていることになります。

そのうちの70%の子どもが
何のサポートも受けていません。

私たち大人も含めて、5人に1人が生涯のある時期に
不安症であると診断
を下されています。


不安である状態は、過度に警戒している状態のこと。 

この状態が続くと、交感神経・副交感神経に影響が及び、
身体の不定愁訴や、不安症の行動が表われてきます。

乳幼児時代に自分がコントロールできない状況下で
体験したストレス反応



思考の歪み



常に過度に警戒している状態になるのです。

前出のアタッチメントがなぜ大切かと言うと、

乳幼児が不安時に養育者に感情的・身体的に
なだめてもらった体験が、

過度の警戒状態を解くカギになるのです。

3.うつ

子どものメンタルヘルスの問題第2位!

子どもにうつはない、と思われて来ていましたが、
1980年代にはDSM-IIIにChildhood depressionの記載があります。

2010年代に生まれた子どもは、
30年前に生まれた人より、
10倍もうつになる確率が高いのです。

子どももうつになるのです!

因みに、

北米の子どものメンタルヘルスの問題の

第3位はAD(H)D

第4位は学習障害

第5位は反抗挑戦性障害 


養育者や子どもに関わる大人が
子どものメンタルヘルスに対してできることは
何なのでしょう?

残念ながらこの答えは今回の講演会では含まれていませんでした。
3日間のワークショップの内容を半日に詰め込んだそうなので、
仕方ないですね。

講師の活動内容に興味を持ったので、今後機会を得て
上記の問いへの答えを習得していきたいです。 

そして、来年、日本で養育者対象の
子どものメンタル問題の講演会を催したいです。  

 



 







2016年11月21日月曜日

11/18/16 【コラージュがお告げを!】

仕事やリサーチで慌ただしくしていたらブログ更新がご無沙汰に。
今年は初雪が遅く、11月後半になってから振った西カナダです。



今回参加した表現芸術療法のワークショップの講師と共に

心を紐解くアート作り:プロセスを大切にする 『心のアート・ワーク』の
カナダBC州公認アート・セラピスト&同州公認心理カウンセラー
上原英子です。 


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私が専門にしているアート・セラピーは、日本語だと絵画造形療法。

クライアントのアート作りを通して行う

心理療法です。

対して、表現芸術療法は、視覚芸術に加え、
音楽、動作、遊び、ドラマ、詩などを書く作業などの表現も
用いて、心、身体、感情などにアプローチする療法です。

先日、スザンヌの
表現芸術療法のワークショップに参加しました。

今回のワークショップのテーマは
2017年のビジョンをコラージュで!

 

参加者が囲んだ円形の座標の中心に
こんなシンボルが置かれていました。 


開会は自己紹介とこの講座への参加動機を一言。
そして、おみくじを引くように一枚カードを選びます。
 
私がひいたカードは、『正直さ』
私はこのカードの意味をコラージュに反映させることに。

今回のメインの作業はコラージュ制作。

参加者は自分の笑っている写真を持参するようにとのことでした。


作業は二人でひとつのテーブルを使うので、
真ん中にスカーフで仕切りがしてありました。  

自分の領地を特別にするための小道具。好きなオブジェを選びます。 
私が選んだのは、赤いシートが2枚、その上に黄緑のシートを貼りました。

キャンドルの周りに選んだオブジェを置き、四隅にマーブルを置きました。

スナックとハーブティーの用意も忘れません(笑)
  古雑誌から切り抜いた自分の氣になったイメージと、
自分の写真が載った新聞記事をランダムに置いてみました。


日本ではコラージュ療法という分野が確立されていますが、
北米ではアート・セラピーのひとつのアプローチ。


セラピストがセッションでクライアントに対して作品の配置の

分析をするのではなく、クライアントにイメージを語ってもらうのに
用いることが多いようです。


私は正直な気持ちで切り抜いたイメージをランダムに配置し、
それをしっくりくる配置に変えていく作業。
それぞれイメージの配置が決定したら糊付け。

こんなコラージュが完成しました~

右下方の岩のアーチの中を切り取り、虹の写真を貼り付けました。 

私はこの岩のアーチを超えたところに、
光を、虹を見たいのです。
 
全員のコラージュを円形に並べて、その周りを歩きました。
一枚一枚の作品と対話をして、その息吹きを感じ取りました。

クロージングではコラージュについて、
また、2017年のビジョンについて語りました。

1人1人、具体的なプラン、また、抽象的なイメージもありました。

私の場合は〇〇を成し遂げるという具体的なものではなく、
心の平安と、自分の心の正直に生き続ける
イメージでした。

「これでいいのだ!」 

講師のスザンヌと二人でインフィニティ∞の形を作りました。
ちなみに私が首に巻いているのは、子ども用の帯、三尺で~す。


これからもこのような機会に自己表現を通して自分のあり方を
確認していきたいです。