2011年6月24日金曜日

6/18~19 新潟レポート

去る6/18-19、新潟県新潟市の『生涯学習センター:クロスパルにいがた』
二日間に渡るアート・セラピー:ワークショップ&講演会が開催されました。

今回の企画は新潟市で思春期外来を開業している
『かわちクリニック河内博子先生の主催、
そして、初日はアドラー心理学研究会の協賛で催されました。


 北国のイメージがあった新潟ですが、この季節はあまりにも高温多湿でビックリでした。

会場は新潟駅より車で5分ほどの所にある『クロスパルにいがた』でした。
近代的な建物のセンターで、会議室の他に音楽スタジオや美術・工作室もあります。


初日は6時間におよぶ『アドラー心理学を取り入れたアート・セラピーのワークショップ』
でした。私の卒業大学院はアドラー派だったので、アドラーの概論はマスターしています。
今回はアドラー心理学の理念、そして、その実践にアートを織り込んだワークショップを
企画をしました。



会場には私のアートと詩のコラボ作品群を展示してご覧頂きました。

このワークではいろいろな素材を用いてアート制作が行われました。

グループでのアート・ワークは和気藹々とした雰囲気の中で行われました。
みんなで力を合わせて、どんなアートが出来上がるのか、とっても楽しみ。

こちらのグループは何と立体作品を制作。
みんなでアート・ワークを完成させた達成感に笑みがこぼれました。

「アドラー心理学を学んできていて、今回のワークでその理念に基づいたテーマを
アートによって自己表現したり、他者が表現したことを見ることができてとても為になった」


「絵を描くのは苦手だけれど、クラフト用品を使ってのグループでの制作が楽しかった」

このようなポジティブな感想が寄せられました。


翌19日は午前が『トラウマを表現する手段としてのアート・セラピー』が催されました。
会場は美術室で、 学生時代が懐かしくなりました。

2時間のこの講演会では、さまざまな質問が寄せられ、お子さんの心理的トラウマに対しての
参加者の関心の深さが窺われました。

前半はアート・セラピーの理念とスライド・プレゼンテーション。






そして、後半は、実際にどのようにアート活動をお子さんとの間に介入させるかに
フォーカスしました。
白板を用いてアートのゲームのデモンストレーション中。

「これだったら絵が上手に描けなくても楽しめるわ」


「老若男女を問わず、アートを通して接点を持つことができるわね」

ゲーム感覚でクレパスと紙さえあればできるアートの用い方もあると知った参加者たち。
この方法を早速、家庭や仕事の現場で活かしていきたいと意気洋々でした。

午後の『発達障がいを抱えた子どもたちとのアート・セラピー』 には、
30名ほどの参加者が集まりました。
会場は熱気でムンムンしていました。

同じく前半はアート・セラピーの理念とスライド・プレゼンテーション。
そして、後半は、実際にどのようなアート活動をお子さんとの間に介入させるかに
フォーカスしました。



二人ずつペアになってアート・ワークを制作。
何ができるか予想もつかない展開にワクワク・ドキドキ。

「今回の講演会を通して発達障がいのあるお子さんの気持ちが少し分かった氣がします」

「お子さんの障がいを治そうとするのではなく、アートを通して彼らの気持ちに寄り添う
大切さを実感しました」

3時間の講演会は事例を含めたさまざまな質疑応答で幕が閉じられました。

来年は新潟で一泊二日の合宿でアート・セラピーのワークショップが開催しましょうという案が
持ち上がり、

「来年、新潟で一泊二日のアート・セラピーのワークショップ合宿があったら
是非、参加したい!」

という声が既に上がっていました。
来年もアート・セラピーのワークショップと講演会などで同地を訪れることが今から楽しみです。

2011年6月20日月曜日

姫路・大阪 ワークショップのお知らせ

7月8日(金)~7月11日(月)の予定で、姫路と大阪で
ワークショップを開催します。

詳細を記しますので、ご希望の方は早めのお申し込み
宜しくお願いいたします。


:開催地 姫路
7月8日(金)-10日(日)
兵庫県姫路市白浜 
お問い合わせ:suwa1012@gmail.com

A. 7月8日(金) 13:00-15:30 『親子でアート・セラピー』
B. 7月8日(金)18:30-21:00 『心の繊細さにフォーカス』
C-1. 7月9日(土)9:00-12:00 『北米直送!アートでマインドフル心理学』
C-2 7月9日(土)13:00-15:30 『脳トレより効果的?脳のフィットネス』
D. 7月10日(日)10:00-13:00 『心の音色はどんな色?』
E. 7月10日(日)14:30-17:00 白浜でアフリカン・ダンス、ジャンベ・ドラムのジャム
参加費:
A、B ¥4,500
C ¥9,000 (ランチ込み)
D ¥5,000  
全グループワーク参加 ¥20,000

E アフリカン・ダンス: ワークショップ参加者:大人 ¥1,000、子ども ¥600 
一般: 大人 ¥1,500、子ども ¥800

個人セッション
7月8日(金)9:00-12:00 & 16:00-18:00
7月9日(土)15:30-18:30
※予約制で承ります。
料金:60分 ¥7,500、90分 ¥10,000


:開催地 大阪
7月11日(月)受付:13:15~ ワークショップ: 13:30 -16:30
『心のアート・ワーク: 心の繊細さにフォーカス』
お問い合わせ: kokoronoart@gmail.com

千里文化センター「コラボ」3F第3会議室:
大阪府豊中市新千里東町1-2-2  北大阪急行千里中央線:
千里中央駅[出口1]より徒歩2分
参加費:¥5,000

2011年6月17日金曜日

6月15日江戸専での講演会

アート・セラピーとは何か?それをどのように福祉の場で活用できるか?

江戸専とは江戸川学園総合福祉専門学校の愛称です。
6月15日に同校よりお招きを受けて、
『福祉分野でのアート・セラピーの活用法』のテーマの講演会で講師を務めさせて頂きました。

学校ホームページ<<<クリック


同校には福祉関連の6学科が創設されており、
今回のアート・セラピーの講演会には全学科の生徒さん300余名が受講しました。
学生さんは、ほとんどが18~20歳の年代。
会場は若さと活気に満ちていました。

会場は大きな階段教室でした。
前半はアート・セラピーとは何か?の理論とアート作品のスライド上映を。

前半で学んだ理論をどのように実践に活かしていったらいいのか?

後半は二人組みになってケアをする側とされる側の役割で、
実際にアートのエクササイズをしてみました。

皆さんは福祉の業界で活躍されていく方たち。
私のアート・セラピストとしての実践から
福祉の分野でも簡単に用られるアート介した関係作りのテクも伝授しました。

講演中は受講生とのやりとりがなかったので、
この講義をどのように感じているかに興味を持ちました。

そこで、今日のこの講演会の感想を尋ねてみると、


「久しぶりにマジックや色鉛筆を使って描いてみて楽しかった~」

「絵って線や色、形を表すことでもいいんだ」

「アートって上手に絵を描くことだけが目的でなくてもいいんですね」

「いろいろな障がいがあっても、各々がさまざまなレベルで
アート作りを楽しむことができると知りました」

「老若男女を問わずアートをきっかけに仲良くなれるって面白い」

「卒業して職場に出たら使ってみたいテクをいろいろ学べました」



熱心に聴き入り、活き活きとアートのエクササイズに臨んだ受講生の皆さんの
これからが今から楽しみです。

2011年6月15日水曜日

セラピーフェスタ2011岩手

岩手での 7月16日(土)-18日(月)アート・セラピーのワークショップの
ネット先行チケット販売が始まりました。

こちらをクリックしてください。
コシカさんのブログ

6月11日の東京ワークショップレポート

帰国した翌日の6月11日に東京で2時間半のアート・セラピーのワークを開催しました。

今回のテーマ は『心のアート・ワーク:心身と脳のむすぎつきを高めよう』

実はこのワーク他所では『脳のフィットネス』『マインドフル心理学』という二つ内容に分けている
ワークをひとつに集約した「1ワークでふたつ分」のワークでした。

会場は東西線竹橋近くにあるちよだプラットフォーム。
ビル街にありました。


今回はカナダから東京の会場を探すのに時間が掛かってしまい、
ワークの告知がギリギリになってしまいました。
そんな状況にも関わらず、5名が参加して下さいました。




ワークは各自がアートや文章を書く作業の部分


そして、皆さんでひとつのイメージを作り上げるグループ・ワークの部分

脳を活性化させるための知識の習得や体操のようなものの体験後に
皆さんで作り上げたイメージは



こんなものが仕上がりました~
 参加者のワークのご感想は

「今の気持ちを絵に描くいてみて、自分に対しての気づきが生まれて新鮮だった」

「みんなでひとつのイメージを描くワークは、参加者の皆さんとつながりが持ててよかった」

「今日学んだ脳のことを絵に描いてみることでより理解が深まって自分のものにできた」

「皆さんとの笑いのある作業で気持ちがリラックスできた」

「とにかく全てのワークが楽しかった!」

最後に「今、ここに心を集中する」テクニックを練習して、
マインドフルネスを体験して頂いて、散会となりました。

今回の帰国中、初めてのワークはとても和やかに、そして、学びのあるものとなり、
ファシリテートした私としても満足のいくものとなりました。

参加してくださった皆さん、ありがとうございました。

2011年6月12日日曜日

ネットのこんな記事の見出し

6月10日に無事に成田に降り立ちました。
いつもながら空港の扉が開いた瞬間に感じる空気の湿度の高さ、
ああ、日本に帰ってきたんだな~と実感しました。

このような記事がネットに載っていたと知りました。

朝日新聞「アートセラピー」かえって心の傷深くなる場合も

ここをクリックで記事が別ウィンドーで開きます。

見出しだけ見た方は、アート・セラピーに対して否定的なイメージを持ち兼ねない表記で
あると感じ、この療法により心理療法をしている私はとても残念です。

「・・・指針では、心の表現を促す活動は、専門家とともに行い、心のケアなど継続的に
かかわることができる状況でのみ実施するよう求めた。」

ここまで読んだら専門にしている者から見たら当たり前のことが書かれていましたが、
見出しからは、まるでアート・セラピーという療法自体を非難しているかのようにも
受け取れ、その表記の仕方を懸念しています。

いくら善意であっても素人の人たちが

「子どもが絵を描いたら心の傷が癒される」

とばかりにアート・セラピーの理念も実践も経験がないままに他者に施すのは言語道断です。
日本ではアート・セラピーという療法が絵や造形を作るという気安さから、あまりにも
迂闊に乱用される可能性があるように感じられました。

特にトラウマを伴うケースのアート・セラピーでは、他の心理療法とどうように
療法家とクライアントの信頼関係が築かれていくことが原則です。
あまりにも簡単にたった数日間のコース受講でアート・セラピストの終了証などを
発行している協会もあるようで、倫理的にもいかがなものか、と感じます。

日本ではアート・セラピストの統一資格認定がなく、
どのような協会を設立するのも自由ですし、独自のコース終了により

「アート・セラピスト認定」

ができることに問題があると感じます。

と言うことは、そのセラピストに専門的な心理学の知識、セラピーの実践能力があるかどうか、
セラピーを受ける人が尋ねなければ分からないのですよね。
もし、セラピストにその分野の知識が乏しく、アート・セラピストとしての
治療的能力に問題と感じた場合、セラピーを受ける人の自己責任で、
だれを選ぶかを選択する必要が出てくることになります。

アメリカ・カナダでは、(州にもよりますが)最低限大学の心理学部専攻の
基礎部分の心理学の履修、その後に大学院、または工科学校の専門課程を
修了しなければアート・セラピストとは認定されません。

セラピストが自身の保険(クライアンとより訴訟された場合のために)
にも加入することができなために、開業もできない状態です。
(もし、保険のないままに開業したら訴訟時に自分が破産する危険が高くなります)

まず、治療者が人間の心と対する責任を持てる状態であるかどうか。
それだけの知識と実践、そして監修を受けてきているかどうか。
そのあたりのことをまずはアート・セラピスト自身が自答してみることが
大切ではないでしょうか。

「アートセラピー」かえって心の傷深くなる場合も

これは他のどんな心理療法でも治療者との関係性が築かれていない場合には同じようなことが起る可能性があります。

アート・セラピーに限ったことではないと結ばせて頂きます。