しばらくするとクリスマスの準備でまた慌ただしくなります。
私はパクパクと呼んでいた折り紙は、こちらではクーティーキャッチャーと
呼ばれていて、番号や占いの結果を書いて遊びます。
心を紐解くアート作り:プロセスを大切にする 『心のアート・ワーク』の
カナダBC州公認アート・セラピスト&同州公認心理カウンセラー
上原英子です。
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問題行動のあるお子さんと一対一のアート・セラピーのセッションをしています。
彼らが親御さんや先生など大人から叱られる行動を取ってしまうのは、
どうしてなんだろう?
セッション中の彼らの行動観察から私の内でさまざまな気づきが起こります。
折り紙の本を見ながら私と一緒に折っていきます。
数学が天才的にできるJ君は、日本語の折り紙の本の図式を見ただけで、
どんどん先に進んでいきます。まさに圧巻!
でも、注意欠陥多動障害を持っているので段取りをきちんと
終わらせながら次の段階に進むことができないのです。
折り方は分かっているのに焦ってぐちゃぐちゃなまま次の段階を折るので、
彼が作った折り紙作品は遊べない代物になってしまいます。
J君「ボクが作ったクーティーキャッチャー、開かないよ」
私「焦って折ったから、ところどころきちんと折れてないよね」
J君「何だよ~!(怒って椅子を蹴る)」
私「これをどうしたいの?」
J君「これで遊びたいよ~開くようにしてよ」
私「それは私にお願いしているの?命令しているの?」
J君「ええっと…」
どうしていいのか咄嗟に分からないJ君。
人とうまく関われず友達が一人もいないJ君は、 自分の置かれた状況や、相手に対しての配慮が全くできない面があるのです。
私「私にお願いするなら、折ってもいいよ。
命令するなら、やらない」
J君「じゃあ、折って下さい。お願いします」
私は手間を掛けて、なるべくJ君が折った部分は残して
作品をなんとか遊べるレベルにしました。
セッションの最後に本日の作品の写真を撮る時に…
折角、私が折り直したクーティーキャッチャーを
グシャと丸めてポイッと放り投げました。
私「ガッカリだな~これは私が手間かけて折り直したのよ」
J君「だって見た目がよくないもん。こんなのいらない」
だから~
それが対人関係音痴だって言ってるの!
人との間の機微が分からないのは表面に表れていることしか見ていない。
そこまでに至る過程で相手との間にどのようなことがあっての
結果なのかを分かっていないから起こる無礼な言動。
私「見た目がいいものだけを写真に写したかったんだね。
それは分かるよ。
私はJ君の頼みをきいて折り紙を折り直したよね?
こんなふうに丸めちゃうなら、もう手伝いたくないよ」
J君「???」
J君はこれからの私のアート・セラピーのセッションでの関わりから、
どんな成長を見せてくれるのか、楽しみです!
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