これからカナダの長い冬が始まります。
心を紐解くアート作り:プロセスを大切にする 『心のアート・ワーク』の
カナダBC州公認アート・セラピスト&同州公認心理カウンセラー
上原英子です。
~☆~~~☆~~~☆~~~☆~~~☆~~~☆~~~☆~~~☆~~~☆~~~☆~~☆~~~☆~
学校でのアート・セラピーの個人セッションで出会うのは、
何かしらの問題行動のある4歳~18歳(現在は16歳)の生徒たち。
学校外で問題行動のある生徒への私のアート・セラピーの個人セッション希望
の場合は、個人開業の部で受けて頂くことに。
W君(8歳)は、私の個人セッションを始めて半年になる。
いつも反抗的な態度で、大人の言うことをきかない。
大人の指示を無視しておいて、それを叱られると被害者に早変わりだそう。
私のセッションでも命令口調で話し、ゲームのルールは自分に有利に作り、
そんなのイヤだと言うと「もう遊ばない」と放棄。
ほんと~に可愛くない態度!
私が持って行ったオモチャを壊したり、勝手にペンを刺したりもする。
W君は最初はアートなんかしたくないと、席にもつかなかった。
その内に椅子を集めてそこにおもちゃを持ち込んで、
自分の隠れ家のようにして遊ぶようになった。
毛布が掛かっている所はW君が作った『作品』
この椅子の間を通り抜ける動作を何度も繰り返す。
私には、まるでW君が母親の体内から生まれ直しているみたいに見えた。
私は家族内で心身が傷ついたり、自己価値観が低い生徒が、
儀式のようにこの動作を続ける姿を何度も見てきた。
彼の心の中に生まれ直すような動作が取りたくなるよう
などんな想いがあるのだろう?
日本で講演する時にも使っている、鳴き声&目がライトで光る黒猫ちゃん
今回のセッションにビックリなおまけがあった!
W君「この猫のライトを点けたいから、部屋を真っ暗にして」
私「真っ暗にして怖くないの?」
W君「大丈夫、全部灯りを消して」
真っ暗な部屋で猫の目のライトを点け、興奮気味のW君。
今度はかくれんぼしたいと言い出した。
W君「30数えたら探すから、隠れて!」
私「え~っ暗い中で隠れるの?見えないよ」
W君「いいから~」
暗闇の中でのかくれんぼを始めて、私を見つけた。
今度は自分の番になったW君。
私が30数えて探し始めると、か細い声が聞こえた。
W君 「ボク出ていけない…」
私「どうして?そこの角にいるの、みっけ~」
W君「おもらししちゃった~」
私「え~っ!!!」
W君は8歳になってる。
今まで4歳児のセッションでも、こういうことは起らなかった。
小3で、家の他でもおもらしって、きいたことなかった…
W君「このままじゃ帰れないよ」
私「じゃあ、どうしたらいいと思う?」
W君「替えのパンツとジーンズがいるよ」
私「そうだね。でも、ここにはないよ」
W君「英子が買ってくる」
私「そういう考えもあるね。でも、私はここから離れられないよ」
W君「・・・」
8歳児なりにこの問題を解決しようと知恵を絞っているのが分かったので、
私の携帯電話を取り出して、父親の番号を訊ねて電話を掛けた。
W君「お父さん、ボクね、パンツにおしっこしちゃったの」
いつも私に命令したり無理難題言ってる時と打って変わって、
まるで幼児のような救われ難い声を出してるW君。
なかなかの役者じゃの~
会話が要領得ないので、私が替わる。
W君がおもらししたので替えのパンツとジーンズをお迎えの時にお願いする。
しばらくして父親が迎えに来た。
父「Wがおもらししたそうですね。」
私「そうなんです。電気を消して暗闇にしたら興奮して、
かくれんぼしたいって遊んでいたんです。」
父「暗い所が怖いのに、先生の前でかっこつけたかったんだな」
そうだったの?
実は暗闇で隠れるのが怖かったの?
W君の意外な一面が見られたセッションとなりました。
0 件のコメント:
コメントを投稿