心を紐解くアート作り:プロセスを大切にする 『心のアート・ワーク』の
カナダBC州公認アート・セラピスト&同州公認心理カウンセラー
上原英子です。
私が生徒と一対一のアート・セラピーをしているBC州学区域#83の
特別支援教育の代替教育プログラム:Alternate Programs
このクラスに入るには、 以下の条件を満たしていることが条件。
1.学校組織外の機関やサービスへの嘆願、または学校組織による問題行動カテゴリーに関連している行動がある。
2. 内的な行動障害の可能性による障害がある。
3.一般的な学習環境に留まる権利を剥奪された。
4. 新しいスタートを切ることによって生徒にとって利益がある場合。
5.生徒は学校、コミニュテイー、家庭などで問題行動を呈している場合。
6.学校の内外の問題解決能力が最大限に発揮される。
この中でも最も重要なことは、生徒に顕著な(行動面の)障害があること。
ページ頭の作品を描いた生徒の『今日の気分』シートです。
実年齢より4学年も上の数学や科学の問題をサラサラ解くことができる知能。
先生や親を含めた大人に理論的な意見を展開する言語能力。
共に高い能力がありながら、
彼は自分の感情が分かりません。
そして、クラスメートとうまくやっていけないのです。
彼はこの表情を描いて、mad:怒っている、を選びました。
でも、私には彼が困っている表情を描いたように見えました。
実際に、自分の態度に対して先生からがっかりされたところでした。
それに対して、彼は拗ねてふくれっ面をしていました。
でも、彼は自分は怒っていたと認識していました。
ページ頭の生徒の作品は、ゴルフボールにクレヨンをなすりつけて、
その模様を紙に写したものなのです。
幼児が楽しみそうなこの活動をした
この生徒の実年齢は8歳です。
学校の空いている部屋を使ってのアート・セラピー個人セッション
香り付きのマーカーや多色ボールペンなどの他に、右側の感覚を刺激しそうな手遊び道具を置いておきます。
席について私が指示をする前にこれらの遊具を手にしてしまう生徒は、
他の場面でも衝動性が高い行動が見られ、問題行動だと見なされます。
こちらは何歳の生徒の作品でしょうか?
この自由画にはさまざまなものがカラフルに描かれています。
中でも一番私の目を引いたのは、文字使いが多いこと。
bubby→buddy:友達
lalalalalala:歌声
anoing→annoying:煩わしい
スペルは間違っていますが、北米では大人でもスペルを正しく覚えていない人もたくさんいます。
彼はお絵かきや塗り絵が得意なことを、セッションで見せてくれました。
happy:幸せ
calm:落ち着いている
模範的なポジティブな気持ちに丸を付けています。
本心からなのか、先生的立場の私にいい子だと思われたいからなのか
分かりません。
私のアート・セラピーのグループ活動中に彼の問題のある言動により
退出されられたこと。
また、家族の中で齢の近い兄弟たちに、
「おまえはロクなことを言わない、ウザい!」
と言われていることが悲しいと告白しました。
彼が周りの関心を引きたくてネガティブなことを言うのか、
または、衝動性が抑えられず暴言をするのかは分かりません。
この生徒の実年齢も8歳です。
このように一般校のクラスに適応できずこの学級に入ってきた生徒たちは、
何かしらの問題行動を抱えています。
私との一対一のセッションで、どれだけ心を開いてくれるか?
大人である私と信頼関係を築こうと向き合ってくれるか?
これからが楽しみです!
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