私が住んでいる地域には先住民族の村があり、以前、アート・セラピーのグループを受け持っていた
小学校にはたくさんの先住民族の生徒がいました。
大学院の卒業諮問に合格してすぐ、実習先だった地元の学区域の教育委員会へ
アート・セラピーの仕事の応募を掛けてみました。
当時、アート・セラピストの募集はなかったのですが、私の実習中にアート・セラピーの
効果の芳しかった生徒がいたために、ありがたいことにお試しとしてアート・セラピーのグループを
受け持たせてもらえることになりました。
幼稚園児から小学校5年生の全校生徒数が50名ほどの小さな学校にアート・セラピストとして
招かれました。
私が受け持ったグループの全員が先住民族の生徒たちで、殆どの子たちが
さまざまな事情から母親に育てられていませんでした。
この学区域でアート・セラピー始まった当時に取材を受けた時の新聞記事。
私が所属しているアフリカン・ドラム&ダンスのバンドを招いて学校コンサートを企画した際、
アート・セラピーのグループの生徒たちのアートを会場に展示するための制作風景が
取材されたのです。
そして、彼らは私がアート・セラピーに来る日に練習を重ね
コンサート当日はアフリカン・ドラムに合わせてパーカッションを演奏しました。
彼らにとってドラムや打楽器は民族音楽・舞踊に含まれている身近な楽器であり、
人前で演奏をして拍手喝采を浴びたことによって、彼らの自己評価が上がることにつながりました。
彼らの練習を監督するのは忍耐と努力が必要とされましたが、やってよかった!と実感しました。
今日はそんな彼らが住むSecwepemc地域の伝統的な集いの日でした。
一般客の入場も許されていたので、カメラを携えて見学に行ってきました。
伝統的な衣装を付けた女性が挨拶をして開場。
伝統的な踊りに欠かせないドラマーたち。
男性のみが大太鼓を囲んでスティックで叩き、雄叫びのような謡が繰り広げられます。
ジングルと呼ばれるベルが付いたドレスを身に纏い、モカシンのブーツの盛装。
手には羽根の扇子を持って、太鼓のリズムに合わせて踊るダンサー。
「見学にいらした皆さんも踊って下さいね~」と声が掛かったので、私も踊りました。
そして、先住民族の人たちも、一般客の私たちも手に手を取って輪になり、輪の全ての人と握手をする
『友情の踊り』を一緒に踊りました。
このような先住民族の集いでは、必ずこの参加体験型の踊りが催されます。
名前を呼ばれて振り向いたら、以前、アート・セラピーのグループに参加していた生徒でした!
彼を看ていたのは彼が小学三年生の時。
現在は中学一年生になって、ミドル・スクールに通っているとのこと。
前載の新聞記事時代から遥かに成長している彼の姿に嬉しくなりました。
私は密かに彼がダウンタウンの浜ちゃんに似ているので「浜ちゃん」と名付けていました(笑)
彼は絵を描くのが大好きで、先住民族の象徴画を幾つも描いていたっけ。
今日の会場でも子どもたちで集まって、アート作りをしていました。
彼がアートという好きなことを続けていてよかった。
会場内にあったケクーリという洞穴式寝室を公開していたので、写真を撮ってきました。
小高い丘のように見えますが、洞穴になっています。
本来は入り口から入れるのは女性のみ。今日は公開日なので、男性も入り口から入れました。
中に入ると薪を燃やして火をくべてあって、煙モクモクです
天辺は穴が開けてあって、天窓のような作りになっています。
そして、男性はここから入ってきて、木を伝って降りるそうです。
中には焚き火を囲むようにベンチがあり、以前は人々はその周りで暖を取りながら、
地面の上に寝転がって眠ったそうです。
懐かしい生徒に再会し、また、とても興味深い先住民族文化を垣間見ることができた
有意義な一日でした。
0 件のコメント:
コメントを投稿