2011年9月6日火曜日

7/16-18 岩手県奥州市&北上市ワークショップ

大阪を跳び越して、今回の帰国中アート・セラピー最後の開催地、
岩手でのワークショップのご報告を。

昨年もアート・セラピーのワークショップを催した岩手県奥州市に北上市を加え、
『心・身体・スピリットの統合と震災後の心のケア』と銘打った三日間に及ぶ
ワークショップの開催でした。

7月16日(土)アスピア水沢

会場は今は市営、元レストランなのでオシャレな感じ。

丸テーブルの並ぶ会場内にはお日様が燦燦と差し込んできます

1.親子でアートしてみませんか

子どもはみんなアーティスト。からだ全体を使って創作表現をします。
はさみ、糊、雑誌の切り抜きや写真などをお持ち下さい。それらでコラージュを作ってみましょう。
彼らの創作表現そのものが、その子らしさを見せてくれます。またこの過程を通して、
親である前に[自分]という存在を感じて認めることができるようになります。
お子さんと一緒にアートを作り上げるプロセスをお楽しみ下さい。   



三組の親子参加によるワークショップ。
みんなで円になって絵を描いては回して描き足していくアート・ゲームで盛り上がりました!


家族ごとにテーマを持ってアート作り(コラージュ)を作成しました。
完成品にみんな大満足!

2.わたしの中に、愛情ってあるの?

楽しいはずの育児なのに、「自分の子どもなのに可愛くない」
「自分の人生が子育てに邪魔されて、何も成せないような焦りを感じる」
この様な本音を聞く機会が増えています。しかし、育児ストレスは永遠に続くものではありません。
ワークショップでは、具体的なテーマに沿って絵を描くエクササイズを行います。
アートで心の深い部分とつながりを持ち、「愛」を感じてみませんか?

母親であるまえに一人の人間であることにフォーカスし、
自分とお子さんという存在について表現してみることによって、
いろいろなことが浮き彫りになってきました。

3.ストレスの行方は?

人はストレスを感じると無意識の内にそれを緩和するために、「買い物依存」「過食・拒食症」
「ゲーム依存」「歪んだ恋愛」などの行動をとることがあります。これら全ての行動の元には、
目には見えない深い不満があります。心の悩みや葛藤を言語ではなくアートで表現することにより、
自分の目で見ることができます。そして解決法を自分で見つけていくチャンスとなります。
人が元々持っている潜在的治癒力や創造性を伸ばしてストレスを解消、自分への理解を
深めることができます。


このワークショップではストレスのメカニズムについて学び、そして、ストレスは自分の中で
どのように感じられているのかをフォーカスしてみました。
頭で理解し、心で納得。そして、行動が変わっていくプロセスを体験して頂きました。

講演会 コープあてるい2F

4.災害後の心の問題 共感疲労と心の弾力性

心的外傷後ストレス障害(PTSD)は被災者のみでなく、被災現場の様子を目撃したり、周辺に
住んでいるために影響を受けて二次的に起こることがあります。この状態は共感疲労と呼ばれます。

・何かしなければという焦燥感
・落涙や底知れない悲しみ
・慢性的な疲労困憊感…

本講演会では先進の北米の認知行動療法を取り入れた分かりやすい説明と、心の弾力性を
養っていくことの大切さに触れていきます。

金曜日の夜にも関わらず、多くの方が訪れて下さったこの講演会。
共感疲労という聞き慣れない言葉について学び、また、現在の自分の気持ちに向き合って、
自分を守り、健康を保っていくには?というテーマで話し合いが持たれました。

7月17日(日)NICOTTO(ニコっと)

北上にあるこの会場は、一階はカフェ&レストラン、二階は多目的スペースになっていました。

5.心のアート・ワーク思い込みを手放そう

自分の考えと反対の行動をとってしまい、後悔してしまうことはありませんか?人は何をしたかよりも、
それによって引き起こされた感情に左右されます。そこに問題があるとしたら

「より苦しまずに、より幸せに生きるために」、どのように変化させていけばいいのでしょうか。

このワークショップでは参加者がアートを通じて自分の思い込みに気づいて
手放すきっかけを作ります。

認知行動療法を元にしたこのワークショップでは、ワークシートとアートを用いて
自分の思い込みを探し当て、気持ちのたな卸しをして気分一新を図りました。

6.心の繊細さにフォーカス 数値で出してみませんか?

些細なことで「動揺」しやすくありませんか?心理テストにより数値化してみたらどんな結果が
表れるでしょうか?心の繊細さやスリルを求める数値が強い方は、
生理学的に刺激に対して過敏です。
そんな性質を自覚して自己管理していくことで心の疲れや重荷が軽減されます。 
人間的に魅力がある人は感受性の繊細さと共に、心の弾力性も富んでいます。
そんな強く、しなやかな心になっていく秘訣を体得しましょう。

Highly Sensitive Person: 動揺しやすいタイプ、High Sensation Seeking:刺激追及タイプの
心理テストを受けてみて自分の傾向を探り、そこから、自分の性質をどのように活かしていったら
満足感を感じる人生になっていくのかをアートを通して表現してみました。

7.自分のコミュニケーションスタイルって?

コミュニケーションの形は自分中心であったり、他の人を優先したり、またその間を取ったり。
関係を悪化させないように自分の本意を伝える方法はあるのでしょうか? 
ロール・プレイやアートのエクササイズを用いて、カナダの心理学で分類される4つの
コミュニケーションのスタイルをご理解していただきます。
その上で実際にどのように主張し意思の疎通をしていくかを体得していきます。

日本では自分の意見を述べることに抵抗がある人が多いようです。
時と場所、相手との関係性を考慮しながら、どのように自己主張していったら
自分も相手も気分を害さず、本意を伝え合えるのかを役割を設定して演じてみました。
その後のアート作りには、とてもユニークな表現があらわれました。

8.アフリカンダンス講習会 さくらホール大アトリエ

リズムにフォーカスして全身を動かす、テンポの速い“エスニックな盆踊り”のような民族舞踊です。
このクラスではダンスを通して心と身体を解放することや、身体表現を通して
互いに個性を認め合うよう『アフリカンダンス』の心も体験していただきます。
お子様もご参加いただけますので、ご一緒に踊ってみてはいかがでしょうか。

頭と心を使った後は、体をドラムのリズムの乗せて解放しよう~
最初は円になってウォーミング・アップ

ゆっくりのリズム、そして、軽快な早いリズムと速度にコントラストのある踊りに挑戦しました。
いい汗掻いた後は、みんなの笑顔もすっきり爽やかに。

7月18日(月)さくらホール

北上市の音楽ホールには様々な施設が設置されています。

9.脳のフィットネスをやってみよう!

英国のある教育機関では、生徒たちに毎朝20分間脳のフィットネス運動をしてから授業を受けるよう
指導したところ、成績の上昇率が向上したと報道されました。また、脳のフィットネス運動を
することによって脳の加齢を食い止め、物忘れや思い違いなどをする頻度が減ったという証言が
多々寄せられているそうです。脳の仕組みを理解し、脳神経伝達物質機能を上げるための運動法を
実践します。この運動をする前と後に作ったアートにどんな違いが見られるのか楽しみですね。

脳の活性化には何が必要?
知識の習得だけでなく、実際に身体も動かして、運動の効果を体感して頂きました。
運動前と後のアートは明らかに差が感じられました。

10.マインドフルネス:心が満たされた状態とは?

「懸命にならず、批判しない状態で、どのような思考・感情・感覚が現れても、
今、ここに心を集中すること」

この心理状態をマインドフルネスと言います。上記の状態を作り出すエクササイズや瞑想法を
体得することで自分の体調や能力を向上させるだけではなく、他者関係にもその好影響が現れます。
脳の働きに触れながら、マインドフルの心境になる練習をします。
マインドフルになる前と後に描いたアートを見比べて、その効果を検証します。

呼吸法や瞑想はいいと分かっていても、実際にどんな効果があるのか測りにくいもの。
このワークショップでは、する前と後にアート作りしてみて、その差を目で見て頂きました。

グループで描いたイメージはこんなに活力溢れるものとなりました。

11.カナダ先住民族に学ぶ叡智

北米大陸は元々は先住民族の土地でした。独自の文化、地域性のある言語を持つ先住民族は
現在ではファースト・ネーションズと呼ばれています。カナダBC州の学校内にもこの民族への
特別教育室が設置されていて、先住民族ワーカーによって先住民族の子孫は、地元の学校で
自分たちの文化や言葉を継承していくよう促進されています。先住民族の価値感や7つの信条(言葉)
そして、「聖なる輪」「生命の輪」「魔法の輪」であり、それはまた「神聖な儀式」を執り行う場所でも
あった象徴的な「メディソン・ホイール」の極意に触れていきます。
この機会に、カナダ先住民族の叡智を生活に取り入れていってはいかがでしょうか?

ファースト・ネーションの独特な文化を紹介し、カナダでのアート・セラピーの実際を
スライドを通してご覧頂いたワークショップ。
彼ら独特の信条や儀式から学ぶところはたくさんあったようです。

ここまででワークショップの内容のご紹介はおしまいです。
岩手では1日3~4のワークショップ+αと、私も、そして、参加者の方たちも
強行軍のスケジュールをこなしました。

この他に個人セッションも希望者を募り、たくさんの方々とアートを介して
心理療法をさせて頂きました。

個人セッション

マンツーマンで行うアートセラピーです。悩みや人生の方向性・人間関係など漠然と感じている
気持ちなどをアートで表現してみることによって、自分の 気持ちをハッキリと目で 見ることができ、
これからどうしたいのかが明確になります。
心の核となる部分に触れることができるため、自分の人生を豊かなものにしていくきっかけを
つかむことが出来ます。

アートにはそれぞれの方の生き方が如実に表現され、改めてアート・セラピーの威力を実感しました。

岩手会場は、また訪れたい地の一つです。

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