6月28日(土)3時間講座『緩和ケアへのアート・セラピーのアプローチ』が北陸がんリハ研究会主催により石川県金沢医科大学病院で
開催されました。
たくさんのケアワーカーの方々のご参加嬉しかったです
会場は大学病院内でした
『緩和ケアへのアート・セラピーのアプローチ』
アート・セラピーとは一言で表すと、アートによる、または
アートを介して行う心理療法のことです。
言葉によるカウンセリングは普及していますが、アート・セラピー
では、なぜ、アート作りを用いるのでしょうか?
では、なぜ、アート作りを用いるのでしょうか?
それは、もの創りの技術の上手い下手は関係なく、過程そのもの
に癒しや自己回復の効果があるからです。
夢中でもの創りに没頭していると、その人らしさが作品に表われて
きます。
自分の内面にあるイメージをアートを介して表現することで心が解き放たれた感覚(心理的昇華)も起こり得ます。
また、イメージをもの創りで体現する過程は脳の活性化にも効果が
あります。
欧米諸国に比べえうと、日本で心理療法としてアート・セラピーが導入されている機関は未だ少ない現状です。
欧米では、ホスピスなどでの患者の緩和ケア、患者家族の心のケアや長期入院病患者への心のケアやアクティビティーとして、
アート・セラピーが用いられています。
がん患者を対象とする医療スタッフは、さまざまな段階のがん患者に専門分野での治療やケアと共に、心理的なケアも提供できることが
理想的です。
この講座では、北米でのアート・セラピー臨床を元に緩和ケアへのアート・セラピーのアプローチをご理解頂き、演習を体験して臨床
での『もの創り』の効果を実感し、実際に臨床に取り入れて頂ける
ことを目標としています。
での『もの創り』の効果を実感し、実際に臨床に取り入れて頂ける
ことを目標としています。
北陸がんリハ研究会会長の影近先生(左)より講師として
ご紹介頂きました
ご紹介頂きました
ブレイン・ジムを数種実践して、脳の働きを整えて講座に入りました
この講座の前半は、スライド・プレゼンテーションでした。
病気になると、どのような気持ちになりやすいのか?
患者の周囲の者は、どのような気持ちになりやすいのか?
グループで話し合い、発表、配布物をご覧頂いてプロセス。
心臓疾患の手術をしたA君のアート・セラピーの事例をご覧頂き、
彼の心情の表現が変わっていく様をご理解頂きました。
講義は、北米のがん患者対象のアート・セラピーのリサーチ、
がんを始めさまざまな疾患のある患者に効果がある海馬の
神経細胞新生を促進、Dr.Seigelによるマインドサイトの原理、
そこから派生したマインドの活性化にも及びました。
がんを始めさまざまな疾患のある患者に効果がある海馬の
神経細胞新生を促進、Dr.Seigelによるマインドサイトの原理、
そこから派生したマインドの活性化にも及びました。
アート・セラピーとしては、手始めにクレヨンを使って自由画や自画像を描いて頂きました。
マインドフルネスと表現アート・セラピーの効果を学習。
心して生きる方法:実際にその状態を作るために、お子さんやシニアにも実践しやすいさまざまな呼吸法をご紹介し、実際にやってみました。
この後で再度自画像を描いて頂くと、呼吸法前のものと違うことが
よく見て取れました。
休憩後はペアでなぐり描きなどのエクササイズを体験して頂き、実際にケアワーカーが医療の現場で患者に使えるようなアート・セラピーの
方法をご紹介。
痛みや不快さは注意を逸らそうとしたり、否定したりしたくなる
感覚です。
このようなネガティブな気持ちを引き起こす感覚にフォーカスをすることによって、身体的だけでなく、その感覚にまつわる感情的、
思考的な部分をも表現することになります。
思考的な部分をも表現することになります。
段階を追ってアートワークをしていくことによって患者の救われない
ような気持ちを自主性に満ちた、自分の身体を自分で受け入れて良くしていく姿勢に促します。
患者とアートを介してコミュニケーションを取るにはどのような
ポイントを押さえたらよいのかを学んで頂きました。
最後にカナダのハローワークで取り入れられている図形による
適性テストを皆さんに試して頂き、盛り上がったところで
講座の終了となりました。
参加者の感想は…
「アート・セラピーは絵を上手に描くことが目的ではないと分かり
ました。遊びの感覚でクレヨンを用いてコミュニケーションの方法として使えると知ったのが収穫でした」
「患者さんは常に励ますことが大切だと思っていました。今日は相手の気持ちに沿うこと、受け入れることによって心の痛みが和らぐ作用を学んだので、現場で試してみます」
「患者さんの身体や心の辛さをクレヨンなどで表してもらい、
どうしていきたいのかを描き足してもらう方法。シンプルで後から
見直せる素晴らしいやり方だと感じました」
ケアワーカーの方々に新しいコミュニケーションの方法を体得して頂けたようで、講師冥利に尽きました。
医療の現場にアート・セラピーを普及していくことは私の目標の
ひとつです。
またこのような機会を頂けますように。
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