2016年1月21日木曜日

1/20/16 【自閉症児B君2:字しか書かなかったのに…】 

暖冬ながら大雪が降っている今年のカナダの冬。
校庭に雪だるまができているのを微笑ましく眺めています。

質問:私からのクリスマスのプレゼントのお菓子が気に入ったB君。
耳を塞いでいるのは、音がうるさいからではなかったのです。
では、どうして
耳を塞いでいるのでしょうか?


心を紐解くアート作り:プロセスを大切にする  『心のアート・ワーク』の
カナダBC州公認アート・セラピスト&同州公認心理カウンセラー
上原英子です。 

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前回のB君のお話しは、以下をご覧下さいませ。
12/24/15 【自閉症児B君1:言葉がなくても・・・】 http://kokoronoartwork.blogspot.ca/2015/12/122415-b1.html

B君はASD:自閉症スペクトラム障害を持つ13歳男児。
言葉は話せないが、声を出すことはできる。

頻繁に通ってくる私の名前が「えいこ」であると理解しているが、彼は2音続けて発音できないので、
私のことは、「こ~」と呼んでいる。

はい、を意味するYesはイ・エ・スの3音なので言えないが、
OKの「ケー」と言うことがある。

いいえ、を意味するNoはノーの1音なので言える!
嫌な時、B君は手で追い払うようなしぐさをする。


マーカーやペンなど、筆記具を使うのが好きなB君。

絵の具を用いた時、お気に入りの黒をパレットのたくさんのスポットに出した。

赤と黄色はひとつづつパレットのスポットに出した。

そして、その配分通り、大部分を黒を使っていたB君。

人の顔の造作は描くことができるが、自由画を描くことに興味がないB君。

B君が描きたいのは、彼が記憶している映画のタイトルバックや、
ドライブ中に見掛けた停止サインやカフェの看板など。
全て彼の記憶に印象に残っているものだけ。
 数枚描いている内に、青い絵の具も使い出したB君




 黒しか興味がなかったB君が赤・青・緑を少しずつ使い出した。




 

あれ?
少しずつ図?絵?のような感じになってきて、筆先を使って描き始めた。 


 
最後の1枚、10枚目紙神一面を筆を使って塗りつぶした!
 
 
 
 
1時間のセッションで10枚の作品を描き続けたB君。
いつもながら作成中の超集中力には目を見張るものがありました!

里親のおばさんに見せたくて、小走りで呼びに行ったB君。
おばさんに褒めてもらって、とても嬉しそうでした。

自閉症を持つ人は一般的に人との関わりに
興味がないとされています。

でも、B君は人の関心を引くことが大好きで、
じっと他者の目を見つめて声を発します。
 
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最初の写真:音がうるさいからではなかったのに、どうして耳を塞いで
いるのかのお答え。
 
B君のセッションの時間が終わって、私が画材を
片付けたので気分を害したのです。
 
B君は自分が気に入らないことがあると耳を塞ぎ、
怒りが強くなると自分の身体を噛み始めます。

他者に暴力を振るわないようトレーニングを受けたので、
衝動を抑える時は自分の身体を傷めつけて
我慢するのです。
 
それでも、彼の行動を制限した学校の先生に暴力をふるって
停学になったことがあるB君。
 
自分は「ノー」と嫌だと意思表示することが多いB君なのに、
他者に「ノー」と
自分がすることを制限されるのは大嫌い。(笑)
 
セッション中の彼の仕草により注意を払うようにしよう。
 
 
 
 
 
 

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