3月24日に東京の母が永眠しました。
私は夫と共に帰国して2週間滞在し、葬儀や事後処理に奔走しました。
今週、カナダの自宅に戻ってきて人心地ついたところです。
会場にはこんなサインが。
心を紐解くアート作り:プロセスを大切にする 『心のアート・ワーク』の
カナダBC州公認アート・セラピスト&同州公認心理カウンセラー
上原英子です。
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今日のトピは、Grieving:グりービングについて。
これは、嘆き悲しむ作業を意味します。
グリーブ・カウンセリングは、北米ではカウンセリングの中で
ひとつの独立している部門であるほど確立されています。
この町のサポート・グループ会場がある斎場
この会場では、毎週決まった日に身近な人の死を体験した人の
サポート・グループが無料で催されています。この町にある北米で一番長い木造の艀の写真が展示されています。
嘆き悲しむ作業はずっと続く道のりであると示しているかのようです。
丸テーブルを囲んで参加者が座って話をします。
このグループにはグリーフ・カウンセラーが
ガイド役として在席し、話がそれたり、内容が不適当になることが
ないよう配慮されています。
誰かの死を悼む作業には、悲しみ、怒り、無力感や罪悪感など
普段は感じたくない気持ちが表されます。
ここでは誰かが泣きじゃくっても誰も止めないので、
思い切り泣ける場でもあります。
この会は10:00am-11:30amの開催時間ですが、
途中から参加するのも先に退出するのも自由。
辛い気持ちになったら、いつでも外へ出て気を静めてから
戻ればいいことになっています。
「私は毎週、ここにクッキーがあるから来ているの」
そんなジョークが語られるほど気楽な雰囲気なのが救われます。
各自、自由にコーヒーやお茶にクッキーを頂けます。
何気なく展示された自然をテーマとした写真に、
心の落ち着きを取り戻す人も。
グループが始まる時に毎回、守秘義務を誓いあうので、
普段は人には言えないようなことを話せることで、
抑圧された感情の解放ができるのです。
初めて参加した私にも慈愛の籠った眼差しを
向けてくれた参加メンバー。
参加者の中で一番若く、しかも異人種である私なのに、
特別扱いしないで話をじっくりと聴いてくれました。
「グリーブの道のりに終わりがないとしても、
その道には山もあれば谷もある。
どんなに辛い気持ちでも感じ尽すことで
内的にプロセスされていくものなのです。
そんな道程を一緒に歩む人がいることは、
とても心強いことなのよ。
私が身内を相次いで亡くした時はこのような場がなくて辛い想いを一人抱えして苦しんだの。
そんな自分の体験を活かして、この会の参加者の嘆き悲しむ作業を見守る役割を果たしたい」
自身も親兄弟や配偶者の死に遭遇してきた
グリーフ・カウンセラーの言葉が心に沁みました。
私もまたクッキーを頂きにこのサポート・グループを訪れたいです。
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