今月のカナダBC州は零下10℃代が続き、大雪に見舞われています。
車の雪降しをしてクライアントに会いに行く毎日です。
想いを言葉にするって、それぞれの想いを言葉に合った色合いに変身させる作業のようでもあります。
心を紐解くアート作り:プロセスを大切にする 『心のアート・ワーク』の
カナダBC州公認アート・セラピスト&同州公認心理カウンセラー
上原英子です。
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さまざまなクライアントと向かい合い、感情の問題に向き合う日々。
私はカウンセリングもしますが、アート・セラピーという非言語で、
視覚表現を用いる心理療法を専門にしています。
クライアントの中には発語がないケースもあるし、発達障害などで
頭でうまく文章をこしらえて話すことができない子もいます。
では発語のないクライアントには無言でセッションをしているのかというと、そうではないのです。
発語がない、知的障害もあるクライアントに対しても、
こちらから、いろいろ話し掛けるのです。
「あなたはこうなのかな?
それとも、ああなのかしら?」
「こういう描き方が好きなのね。違う色はどう?」
「黒一色がいいんだ。
今度はもっと太いペンを使ってみる?」
クライアントは言葉では答えられないけれど、
瞳に何かしらの反応が表われる。
それを私なりに解釈し、またそれを相手に尋ねてみることで
コミュニケーションが築かれていく。
相手が答えなくても、こちらから話し掛けることで
クライアントとの関係性が近しいものになっていく体験を
何度もしてきました。
上手く話せなくてイライラしている
ある発達障害の生徒のケース。
クライアントはセッションの最後に、
を描いて見せて、
”I fun very a lot!"
「とっても楽しかった!」
セッションに対して最上級の喜びを彼の言葉で示してくれました。
クライアントとの言葉のやりとりは、相手の感情への細心の注意と共に
自分の中に相手の反応からひらめいたことを盛り込んでいく。
私にとって自分の行っている心理療法は、
とても壊れやすい大切な想い(例えば生卵)を
相手との間で行き来させるような作業。
それは感情労働として疲れる作業である部分もあり、
また、 何よりも心満たされる至福な瞬間でもある。
私はクライアントとのセッション以外でも、
他者への言葉に対してそんなアプローチをしてることに
気付いた。
例えば、
友人・知人とのメールでのやりとり。
SNSでの応酬。
いつ・どこで・だれが・なにを・なぜ・どのように
新聞記者として原稿を書くこともあるので、このあたりも
網羅して伝えようと腐心する。
相手へ向ける言葉をひとつひとつ選んで、
書いてはニュアンスがピッタリこなくて違う言葉を探したり。
一度自分が書いたものを何度も読み直して推こうしている内に
数時間経ってしまうことも。
「あなたは言葉を意識し過ぎる」
と言われることもある。
受け手の感情を介せず、自分が言いたいことだけを言葉を選ばずに
羅列している人にとってはそう感じられることでしょう。
私の想いを言葉にすることへの強い思い入れは、
言語能力、並びに対人関係能力の高さの表われでもあるのです。
私は相手との間に生まれる『言葉の力』を信じています。
これからも自らが発する言葉に大いにこだわり、大切にしていきます。
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