日本では日常語でうつ病や引きこもり、内気な性格を指して「自閉症」と呼んでいるのに出くわしたことがありますが、これは医学的にはまったくの誤用です。
「いじめのため自閉症になった」「昔自閉症だったけどなおった」「親の育て方が悪くて自閉症になった」「テレビの見過ぎ、ゲームのやり過ぎで自閉症になった」などというのは全て間違いです。
自閉症スペクトラム障がいは、先天性の脳の障がい。通常3歳頃までに症状が表われ、症状による困難さが生涯に渡って続く発達障がいです。
自閉症スペクトラム障がいの三大特徴
「社会性の発達の障害(対人関係における障害)」
- 目線を合わせようとしない。
- 注意を受けて困っているのに笑ってしまう。
- 同年代の子どもと遊べない。
- 暗黙のルールがわからない。
- 人とほとんど関われないか、積極的に関わり過ぎる。人と上手く付き合うことができない。
- 言葉が話せない、もしくは言葉の発達に遅れがある。
- 言葉が話せても、意味が正確にわかっていない。また、場面にあった言葉が出てこない。
- 自分の好きな言葉を繰り返す。
- 話しかけられたことに合った返事ができない。
- 指差し、目配せなど言葉を使わないコミュニケーションの意味がわからない。
- 相手の手を使って何かをさせようとする(クレーン現象)。
- 非常に強く、常に繰り返される決められた形の一つ(もしくはいくつか)の興味にだけ熱中する。
- 例:特定の物、行動などに対する強い執着心。
- 特定の機能的でない習慣・儀式にかたくなにこだわる。
- 常同的で反復的な衒奇(げんき)的運動物体の一部に持続的に熱中する。
- 例:おもちゃや本物の自動車の車輪・理髪店の回転塔・換気扇など、回転するものへの強い興味。
- 例:手をヒラヒラする。体を前後に揺らす(ロッキング)。
感覚が鋭すぎたり、逆に鈍感だったりという、感覚の異常がある。
- 味覚、嗅覚の異常は偏食となって現れることがある。
- 皮膚の感覚が敏感で、ちょっと触られただけでも痛みを感じることも。
- 特定の音を極端に嫌って耳ふさぎをしてパニックを起こす聴覚過敏があったり、多くの人が嫌うガラスを引っかくような音が平気だったりする。
数年前にASDの家族のためのサポートグループが発足され、その後ASDに関わる専門家の会も始まりました。
今回の出席者は、アート・セラピストの私の他は、音楽療法士
皆さんクライアントとその家族への想いが
「ASDの家族はその子どもの存在に打ちひしがれ、セラピーを受けるなどの処置が始められないことが多い。家庭が機能不全なことが多く、その日暮らし。これからの展望を持つことができていない」
「そのような家族に対して専門的な援助をしても、適切に学んだり、セラピーまでたどり着けないのが現状」
「セラピストが資料を作ったり、連絡帳を活用しようとしても、家族の両力が得られずにASDのお子さんの発達を促せない」
このような発言を元に、どのようにこの会を活性化させてさせていったら効果的なのか話し合いました。
「ここに招聘され出席した専門家がケース毎にお互いに連携を取り合い、情報を共有。そして、その時々に必要なセラピーや援助を提供できるようにしていく」
これは素晴らしい意見です。
この方法を取るためにはいろいろな取り決め、手続きが必要となってきます。この会がどのように活性化していくのか、メンバーとして楽しみにしています。
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