2014年1月19日日曜日

1/18/14 【CEA養成コースでのアート・セラピー】

私がアート・セラピーを担当しているこの地域の学区域主催の
CEA(Certified Education Assistant)トレーニング:学校のクラスで学習に困難がある生徒を支援する役割の養成コースを教えてきました。


  2009年に3時間枠で始めた私のアート・セラピーのコース。
受講生より「もっとじっくりと学びたい」という要望があり、
翌年から全日(6時間)コースに延長されました。

会場のオカナガン・カレッジはオカナガン地区に幾つかキャンパスを持つ教育機関で、高校を卒業した生徒が大学編入のための単位を取得する目的で通う本科と、資格取得や趣味のための生涯学習コースに分かれています。

今回は後者のCEA(Certified Education Assistant)養成10ヶ月コースの一環としてのアート・セラピーの講座としてコースを教えました。 
 
参加者14名は30代から50代とさまざまな年代の女性でした。お子さんのいるママがほとんどで、母親の視点からアート・セラピーをとらえているのが印象的でした。

 コースのタイトルは
  『アート・セラピー:どんなもので、どのように生徒に効くのか?』
最初の1時間半はグループ・ワーク。4人一組で座っているので、順番に出される8問の質問に対してグループ討議をして発表するというもの。

アート・セラピーの基本理念やどのように用いられるかの知識を学びます。

受講生の中には発達障がいの子どもをもつ親御さんであるママもいて、それぞれの質問にお子さんの例を交えたりしながら意欲的に話し合って発表してくれました。 
生徒のアート・ワークのスライド・プレゼンテーションは、実際にどのような形でアートが生徒との関係に介入されているかを見てもらいました。  

「私と別の人の絵から受ける印象は大分違っているけど、いいの?」
 
「生徒が言っていることとアート作りで表されたものが違う時、どう解釈する?」 

「アート作りの過程でどのように生徒に介入するの?」

アート・セラピーのセッションに対するさまざまな質問が寄せられました。そんな時、私のアート・セラピストとしての体験を語ることによって、受講生の理解が深められたようで何よりでした。
どのような方法でアートを生徒との関わりで用いていくかを実際に絵を描いてもらう演習をしました。

多くの受講生がアート・セラピーの分野の絵画分析とその解釈に興味を持っていたので、実際に絵のアセスメントのテスト(査定)を行い、その解釈を本から朗読しました。

「家に大きいドアが描かれていたら・・・」

「木に節や穴が描かれていたら・・・」

「人の頭が大きく 描かれていたら・・・」

など、それぞれの解釈を読み上げました。
その記述に一喜一憂した後の受講生の感想は、

「勝手に絵の意味を決めつけられ、すごく侵入された感じがした」

「セラピストがこのような解釈を自分の絵に当て嵌めるなら、絵を描くことが嫌になりそう」

「絵の解釈を勝手にされたら誤解された気持ちになる」

生徒になった気持ちをこのように表現していました。
「こんなふうに絵を描いたのは久しぶり。夢中になったわ」
「生徒とアートを介して関わるって初めての体験」
「絵を描くのは苦手だけど、色を塗るのは楽しいのね!」

受講生は幾つかのアート・エクササイズをしてみて、 どのような方法でアートを生徒との関わっていくか段々と勘が掴めてきた様子。
 

最後に応えてもらったコースのアンケートはそれぞれが自分の言葉でこのコースの意味を綴った素晴らしいものばかりでした。

 「アート・セラピーの知識を得て、実際にアート・エクササイズをしてみて気づいたことがたくさんありました。特に自分についての気付きが貴重な体験となりました」

「こんなに楽しく学べるクラスだったら、もっと受講したい!私たちだけでなく、他の親御さんや保育士さんたちにも門戸を開いて欲しいです」

「アート・セラピーを試してみてよかったです。英子は素晴らしいインストラクターであり、人間味のある女性よ!」

受講生が自分のクラスから学んでくれたことが何よりも嬉しいです。プログラム作りや準備の煩雑さも何のその。
講師冥利に尽きました。
来年度になったら、今日、受講生として出会った皆さんが、教育アシスタントとして活躍する姿を拝見できることでしょう。
そんな日が来ることが今から楽しみです。

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