2011年11月20日日曜日

11月紙芝居絵師デビュー!

紙芝居屋さんから紙芝居を見せもらった経験をしている人はどのくらいいるのでしょうか?

私は東京の下町育ちだったので、自転車の荷台に紙芝居の用具を括り付けたおじさんが
やってきて、 水あめなどの駄菓子を売って、紙芝居を見せるという場を何度か経験しています。

とてもシンプルな昔話に独特なタッチの紙芝居の絵が印象的でした。

おじさんがカン、カーンと拍子木を打ち、

「紙芝居が始まるよ~」 

と声を上げると、子どもたちが一斉に走って紙芝居の周りに集まる図をよく憶えています。

日本で英語教授の体験のあるTracy Rileyさんは、現在、カナダで永住権取得者に対して
第二外国語の英語を教えながら、教育学の修士の勉強をしています。 

彼女が履修しているコースa Master's degree in Education (M.Ed. or M.A.) http://www.calendar.ubc.ca/okanagan/?tree=18,285,897,1052

彼女は紙芝居を用いて自分の研究発表をしたいと思いつき、
私に紙芝居制作の話を打診してきました。

私はアート制作(アートと詩とのコラボなど)の活動をしているので、
イラストなどの制作もできると踏んだようでした。

研究発表のナレーションに合った紙芝居を作るという今回の企画。
彼女の研究内容の主旨に賛同でき、また、企画としても面白いので引き受けることに。

とは言っても、イラストレーターの仕事などしたことのない私。
どうしようか・・・

初めての試みだったので、ネット検索をしたり、イラストに試行錯誤しながらも
雑誌切抜きのコラージュ技法などを取り入れて個性的に演出。
なんとか締め切りまでに完成させることができました。

試作品をトレーシーに見せた時の反応は、

「こんな紙芝居がしたいと思っていたの。嬉しい・・・」 

と涙ぐみながら喜んでくれました。

思ったより時間も手間も掛かって大変だったのですが、制作の苦労は彼女の一言で 吹き飛んでしまったかのようでした。

本当はもっと色を塗ったり、コラージュを増やしたかったのですが、
トレーシーが

「これで十分!」

とのことで私としては試作品の段階でお持ち帰りに。
ご本人が気に入ってくださったので何よりでした。

研究発表の結果は、教授にもクラスメートにもとても評判がよく、

「研究発表を紙芝居形式にしてよかった!」

と喜びの声を上げていました。
私もこのコラボに協力してよかったです。

では、紙芝居のはじまり、はじまり~



タイトル『Reflections of an Evolving Teacher:
徐々に発展させていく教師の熟考』

お話:Tracy Riley
 アートワーク:Eiko Uehara


1. 小学校生活の比較
右側:最初に通った小学校では典型的な教科書を用いて先生が授業をし、生徒は十把一絡げの状態で座っていました。  

左側:転校先の小学校では、大学の先鋭的な教育法を取り入れていて、生徒少数制。  
経験、プロジェクト、テーマの三様の先生と共にそれぞれの選科の先生がいて教えてくれました。



2.中・高校生活の比較
 右側:最初に通った中学校。マンモス校で、ここは自分は大多数の生徒として   
一人一人取り上げるほどの価値がないものとして感じられました。   

左側:転校先の中・高校では、少人数制クラス。   
それぞれの選科の先生がそれぞれの生徒の個性を引き出しながら教えてくれました。



3. 大学生活の比較
右側:最初に通った大学はとても小さな世界でした。今、思うとその頃の自分は、
井の中の蛙(水槽の中の金魚)のようだったと感じます。  

左側:転入した大学では、それまでにない体験をしました。   
それは、まるで雲の上にいるかのようでした。大きなアイディアが生まれ、考えるようになるための教育(教職課程)、 マインド、そして実践的な方法をとり、自分は学んだことの反映を実践している人となりました。



4. カルガリーで教えていた二つの学校について
右側:古い崩れ落ちそうな学校で、生徒も荒れていて、教えるのが大変でした。  

左側:新しい施設の整った学校。生徒たちも意欲的で教えるのが楽しかったです。   



5. 二つの文化の比較
右側:日本は歴史のある国でありながら、現代的な高層ビルも立ち並んでいます。
食文化は寿司に代表される米食です。   

左側:カナダは新しい国で、自然が溢れ、野生動物がいて、屋外活動が発達しています。
食文化はハンバーガーに代表される小麦中心です。  


6. 教えている生徒の比較
右側:以前はカナダの公立校で修学前時、また、小学生低学年の生徒を教えていました。

左側:今はカナダに永住権取得してやってきた多文化の成人に英語を教えています。



7. 視点について
 二人の娘が生まれてからは、いつも親として子どもを通して世の中をみるようになりました。



 8. 時代的な変化

 現代は、人々が手に手を携えて一つの世界を作っていく時代になってきました。



 9. 現在修士のコースを取っているUBCOについて


真ん中がUBC(BC大学)のロゴ。理解のある教授、Dr. Balcaen、階級的思考の廃止、いつも客観的な見方を通して物を見て、Okanagan Collegeでは多様性を受け入れて働いていきます。



 10. これからのビジョンを通してみた自分の姿

希望に満ちた未来に喜びを感じています。



とても興味深い紙芝居制作でしたので、またこのような依頼がありましたらお受けしてみたいです。

2 件のコメント:

  1. すばらしい紙芝居ですね!!
    短期間での制作は大変だったかと思いますが、とても分かりやすく、一枚一枚が楽しんで見れました。
    お疲れ様でした。

    私はデイサービスでボランティアに来られた方の紙芝居を見たことがありますが、とても楽しくて夢中になって見ていたのを思い出しました。

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  2. 晴子さん

    書き込みを嬉しく拝見しました。ありがとうございます。

    正味数日間でこの制作をしなくてはならなくなり、睡眠時間も儘ならない状態で仕上げました。彼女の案をなるべく変えないように演出してみました。分かりやすいことを大切に制作したので、このようなご感想を頂けて本望です。

    そうですね、紙芝居はお子さんだけでなく、シニアの方も楽しめそうですね。
    大人が見ても楽しいですものね。

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