2011年10月27日木曜日

10/26 『剣抜きの儀』アートと詩のコラボ

数年前から、アクリルや水彩絵の具を用いて制作したアートに自作の詩(日英両語)を綴って
アートと詩のコラボ作品を制作しています。

今回のタイトルは『剣抜きの儀:The Ceremony of the Withdrawal of a Sword』です。

先日、FOCUSING:フォーカシングと呼ばれている心理療法のひとつのワークショップに
参加した時のこと。
クライアント役となって自分の身体の中の感覚に集中したら、
剣が喉を通って心を貫いているような感覚がありました。
自分で抜いてみるようなジェスチャーをしてみたら、すっきりしたのです。
このプロセスをアートにして、詩を書いてみました。



『剣抜きの儀』

身体の感覚に集中したら
喉を貫いて剣が刺さっている感じがした。
それは随分と昔からそこにあって、
息をしたり話をするのを妨げていたものだった。

それで言いたいことがうまく口にできなかったり、
すごく喉に力を籠めないと声がでないような感じがしていたのだと分かった。
鋭い剣先は胸の真ん中を貫いて、
心という器のスペースを圧迫していた。

突き刺さされた痛みはいつしか忘れられ、
そこに剣があることすら感じもしなかったけど、
剣があるところには想いが入らない。
剣の冷たさで心が温まらない。

こんな剣はない方がいいと、
剣の柄(つか)を握って引っ張りだす。
少しずつ上に向って、真っ直ぐに。
剣飲みの曲芸士が内蔵を傷つけないよう剣をそっと取り出すように、
ゆっくりと、確実に。


『The Ceremony of the Withdrawal of a Sword』

When I concentrated on my body,
I felt as if a sword penetrated my heart.
It had been there for a long time,
Preventing me from breathing freely.

Sometimes I could not assert myself,
Or easily voice my thoughts and emotions.
The sharp tip of the sword penetrated my heart,
Giving me a sense of oppression in my chest.

Even though I no longer felt the pain,
Or even noticed the existence of the sword,
I was unable to feel compassion
While the sword was still there.

I decided to remove the sword,
And remove it slowly, little by little.
Which is like a sword swallower
Drawing a sword slowly and steadily upward,
Regardless of the pain.

最初に背景をアクリル絵の具で塗って、

絵の上に薄い発泡スチロールで作った剣を細工して手に持たせてみました。

2 件のコメント:

  1. こんにちは、バーナビーのゆうきです☆
    フォーカッシングのワークショップに行かれたのですね!大学院の時に、取っていたクラスの教授がフォーカッシングの方だったので、少しだけ、クラスの中でかじった事があります。なかなか興味深いアプローチですね。
    ブログを読んでいて、思わず痛みを感じたと同時に、息も一瞬とまってしまいました。でもその剣がゆっくりと確実に抜けて行く事ができて、なんだかホっとしました。とてもインパクトのあるイメージですね。

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  2. ゆうきさん

    このブログ始まって以来の初めてのコメントを嬉しく拝見しました。ありがとうございます。

    フォーカッシングには以前から興味があったので、今回はRCCばかりのコースに参加しました。自分たちがクライアントになってやってみて、今度はセラピスト役になりました。

    自分の身体に体感した感覚は生々しく、剣のイメージを重ね合わせてから、そおっと抜き出してみました。アートにしたことでより体感が深まったし、詩に書いてみたことでナラティブ効果も感じました。

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